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前提
11/7の予算委員会の質疑で高市早苗首相は、立憲民主党岡田議員との質疑中にこのような発言を行った。
「先ほど有事という言葉がございました。それはいろいろな形がありましょう。例えば、台湾を完全に中国、北京政府の支配下に置くようなことのためにどういう手段を使うか。それは単なるシーレーンの封鎖であるかもしれないし、武力行使であるかもしれないし、それから偽情報、サイバープロパガンダであるかもしれないし、それはいろいろなケースが考えられると思いますよ。だけれども、それが戦艦を使って、そして武力の行使も伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になり得るケースであると私は考えます」
一見、台湾(中華民国)に寄り添う首相の発言というふうに好意的に捉えることもできそうな文章である、しかしながらこの発言は、日本国民の生命に関わる重大な問題になる可能性を秘めているのである。
日台関係
ここで、前提として日本政府の台湾に関する見解を確認しよう。
1972年の日中共同宣言では「中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する。」とされている、その後も日本政府は、中国と台湾の対立は中国の内政問題であるとの認識を引き継いできた。
要約すれば、台湾は中国の一部である。というのが日本政府の公式見解なのだ。多くの日本国民は台湾を独立した政府だと認識しており、実際にそのようになっているため、先程の発言が支持されるのも当然かもしれないが、あくまで政府見解では中国の一部なのだ。
存立危機事態
さて、そんな中国の一部とされている台湾に対し、中国が武力行使を行った場合、日本の存立危機事態になるというのはどういうことなのだろうか?
存立危機事態については、武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律 第二条四項で明文化されており、内容は以下の通りだ。
平成十五年法律第七十九号
武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律
(定義)
第二条 四 存立危機事態 我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態をいう。
そして仮に、存立危機事態が認定された場合、集団的自衛権を行使できるものともされている。
つまり存立危機事態が認定されると、日本の自衛隊が実力を持って反撃をすることができる、ということになる。
内政干渉
さて、簡単にまとめよう、つまりはもし中国が台湾に対して武力行使を行った場合、高市早苗氏の認識では、存立危機事態が認定され、自衛隊が実力行使を行う可能性があるということになる。
先程書いた通り、台湾は政府の見解では中国の一部。つまりは
高市首相は、中国の内政干渉を行うぞと堂々と宣言したということになってしまう。
このような状況では、中国政府が怒るのもごもっともであり、一部台湾の政治家からも迷惑だという趣旨の発言が出ているようである。政府関係者の話では、米国トランプ大統領からも台湾問題に口を出すなという趣旨の発言を受けたとされている。このように二台大国を怒らせた日本は更に孤立の一途を辿ってしまうのではないかと心配している。
日本国民として、台湾と共にありたいという気持ちを持つことは大切なことであるが、一国の首相である以上、もっと発言には気を遣わなければならないのではないだろうか…。